情報を「整理整頓」して効率よく扱おう!

WEB制作

前回の記事で、アロー関数というモダンな関数の書き方を学びましたね。その関数が扱うデータ型の中で、最も重要で、Web開発において必須となるのが**オブジェクト(Object)配列(Array)**です。

これらは、単なる数字や文字ではなく、複数の関連する情報をひとまとまりにして扱うための「情報の整理箱」のようなものです。この2つをマスターすれば、ユーザー情報や商品リストなど、複雑なデータを効率よく管理できるようになります。

今回は、このオブジェクトと配列の基本的な構造と使い方を、実際のコーディング例と合わせて見ていきましょう。


1. オブジェクト:名前付きの「引き出し」

オブジェクトは、複数のデータを**キー(key)と値(value)**のペアで格納するデータ構造です。まるで、引き出しに「名前」を付けて、その中に情報を整理して入れるようなイメージです。

オブジェクトの定義とアクセス

オブジェクトは、波括弧 {} を使って定義します。

JavaScript

// userという名前のオブジェクト(ユーザー情報)を定義
const user = {
  // キー : 値
  name: "山田太郎",
  age: 28,
  isLoggedIn: true,
  email: "taro@example.com"
};

オブジェクトからデータを取り出す方法(アクセス)は主に2種類あります。

  1. ドット記法(.:最も一般的に使われます。JavaScriptconsole.log(user.name); // 結果: 山田太郎
  2. ブラケット記法([]:キーが変数である場合や、キーにスペースなどの特殊文字が含まれる場合に便利です。JavaScriptconsole.log(user["age"]); // 結果: 28

データの追加・変更

オブジェクトに新しい情報を追加したり、既存の情報を変更したりするのも簡単です。

JavaScript

user.age = 29;         // ageを29に変更
user.city = "Tokyo";   // 新しいプロパティcityを追加
console.log(user);
// 結果: { name: "山田太郎", age: 29, isLoggedIn: true, email: "...", city: "Tokyo" }

2. 配列:順番に並んだ「リスト」

配列は、複数のデータを順序立てて格納するデータ構造です。まるで、買い物リストのように、データに順番(インデックス)がついています。

配列の定義とアクセス

配列は、角括弧 [] を使って定義します。

  • 重要: 配列の順番を示す番号(インデックス)は、必ず 0 から始まります。

JavaScript

// colorsという名前の配列(色のリスト)を定義
const colors = ["red", "green", "blue", "yellow"];

配列からデータを取り出すには、ブラケット記法に**インデックス(番号)**を指定します。

JavaScript

console.log(colors[0]); // 結果: red (一番目)
console.log(colors[3]); // 結果: yellow (四番目)

配列の基本的な操作

配列は、データを追加したり削除したりするための便利な機能(メソッド)を多数持っています。

  • push():配列の最後に要素を追加します。JavaScriptcolors.push("purple"); // colors は ["red", "green", "blue", "yellow", "purple"] になる
  • pop():配列の最後の要素を削除します。
  • .length:配列に入っている要素の数(長さ)を取得できます。

3. オブジェクトと配列の「組み合わせ」

Webサイトで扱う複雑なデータは、ほとんどの場合、オブジェクトと配列の組み合わせでできています。

例えば、「複数のユーザー情報」を管理する場合、以下のようになります。

JavaScript

// 複数のユーザー情報(オブジェクト)を配列に格納
const userList = [
  { name: "太郎", age: 28 }, // 1番目のオブジェクト
  { name: "花子", age: 30 }, // 2番目のオブジェクト
  { name: "次郎", age: 25 }
];

// 2番目のユーザー(花子)の名前を取り出す
console.log(userList[1].name); // 結果: 花子

このように、配列[インデックス].プロパティという形で、複雑なデータも簡単に取り扱うことができるようになります。


まとめ:データ管理は「整理整頓」から!

オブジェクトと配列は、Web開発におけるデータの根幹です。

  • オブジェクト{}で定義し、**名前(キー)**でデータを整理する。
  • 配列[]で定義し、**順番(インデックス)**でデータを整理する。

この二つのデータ構造を使いこなすことが、Webサイトの情報を効率よく管理し、より複雑な機能を実現するための最初のステップです。まずは、自分の趣味や好きなものをテーマに、簡単なオブジェクトや配列を作ってみることから始めてみましょう。

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