前回の記事で、CSSの基本であるタグ、クラス、IDセレクタを学びましたね。これらを使いこなすだけでも、Webサイトの見た目を大きく変えられます。
今回は、これらのセレクタをさらに進化させた、より便利なセレクタを紹介します。これらを組み合わせることで、「リストの2番目の項目だけ色を変える」といった、よりピンポイントな装飾が可能になります。まるで、魔法の杖に新しい呪文が加わるようなものです。
1. 疑似クラス:要素の「状態」を狙い撃ち
疑似クラスは、要素の特別な状態(例:マウスが乗っているとき、リンクをクリックしたとき)を狙ってスタイルを適用します。セレクタの後ろに「:
」(コロン)をつけて使います。
:hover
:マウスが要素の上に乗ったときCSSbutton:hover { background-color: #0056b3; /* ボタンにマウスを乗せると色が変わる */ }
:active
:要素がクリックされたとき:focus
:入力フォームなどが選択されたとき
これらの疑似クラスは、Webサイトに動きやインタラクション(ユーザーとの対話)を持たせる上で欠かせません。
2. 疑似要素:要素の「中身」の一部を装飾
疑似要素は、HTMLにはない仮想的な要素にスタイルを適用します。セレクタの後ろに「::
」(コロン2つ)をつけて使います。
::before
/::after
:要素の中身の前後(before/after)に、新しいテキストやアイコンを挿入します。CSSli::before { content: "☆ "; /* リスト項目の前に星マークを追加 */ }
3. 組み合わせセレクタ:要素同士の関係で指定
複数のセレクタを組み合わせて、より複雑な条件で要素を指定できます。
- 子孫セレクタ ():半角スペースで区切り、親要素の中にある子要素すべてにスタイルを適用します。HTML
<div class="container"> <p>このテキストは装飾される</p> </div> <p>このテキストは装飾されない</p>
CSS.container p { font-weight: bold; /* .containerの中にあるすべてのpタグを太字にする */ }
- 子セレクタ (
>
):>
で区切り、直下の階層の子要素にのみスタイルを適用します。子孫セレクタよりも、より厳密に要素を指定できます。
まとめ:CSSセレクタは奥が深い!
今回紹介したセレクタを使いこなせば、Webデザインの自由度は格段に広がります。
- 疑似クラスで、ユーザーの動きに合わせた動的なデザインを。
- 疑似要素で、HTMLを編集せずに装飾を追加。
- 組み合わせセレクタで、Webページの構造を利用した賢い指定を。
これらのセレクタは、Webデザインをより効率的で洗練されたものにしてくれます。まずは、これらのセレクタを使い、あなたのWebページに新しい魔法をかけてみてください。